地域のイマ、とコレカラ…『第六回 熊沢 栄利子さん』
新型コロナウィルスによって戸塚の人々のイマがどのように変わったか、コレカラどうなっていくかインタビューを通じて見つめます。 今回は、練習室で箏のサークル「箏楽音(そらね)」の指導をしていらっしゃる熊沢 栄利子様にインタビューを行いました。「箏楽音」の活動はもちろん、新型コロナウィルスの影響や、さくらプラザに求めることについてお話を伺いました。
熊沢 栄利子さん |
―箏楽音(そらね)の活動を教えてください。
箏の合奏を楽しむサークルです。 岩間市民プラザの箏講座をやらせていただいたことがあり、その時の受講生の皆様と、その後に参加された方で構成されています。 1曲に時間をかけて丁寧に練習するよう心掛けていますが、基本は演奏・合奏を「楽しむ」ことが一番の目的です。 メンバーそれぞれキャリアは長く、15年の活動歴の方もいます。 以前、旭区民文化センター サンハートでのオープンハウスに参加し、メンバーの方にお手伝いをしていただいたりもしています。 さくらプラザは開館直後から利用させていただいております。
―新型コロナウィルスの影響でどのように活動が変化されていますか?
当初は自分たちが楽しむための活動をしてきたのですが、レパートリーが増えてきたこともあり、自分たちだけでなく、お客様にも楽しんでいただけるようなことが出来たらいいなと考えている時に、ちょうどさくらプラザの「春の芸術祭2020」の情報を見つけて応募、出演させていただきました。 これをきっかけに、外に向かってやっていこうと考えていた矢先に、コロナウィルスの流行があり、今は公演の予定もたたない状況です。 また、箏に興味を持たれるお客様はご高齢の方が多いため、公演等を開催しても大丈夫かと心配にもなります。 それでも練習自体はメンバーの一人一人がコロナウィルスの対策をした上で、無事続けられているので、この点においては幸いかと思っています。 ただし、マスクの違和感など、やはり本来の演奏に比べると支障があるのは間違いありません。 今の状況下ではコロナウィルスの終息を心待ちにしつつ、レパートリーを増やせるよう、練習を続けて行くしかありません。
―新型コロナウィルスの終息後に始めたい活動はありますか?
早く元の活動に戻したいのは勿論ですが、今後は、より多くの方に箏を知ってもらう機会を作っていけたら良いと考えています。 箏は日本古来の楽器として誰もが知っていますが、残念なことに身近な楽器とはいえません。 箏を生演奏で聴ける機会も少なく、一般的にはお正月のBGMくらいなのではないでしょうか。 どういった楽器かご存知の方も少ないと思いますが、実は箏は調絃(チューニング)さえしてあれば誰でも簡単に音を出すことができる楽器なのです。 小学校などでも体験プログラムをやることがあるのですが、1つの授業45分間のうちに1曲が弾けるようになるプログラムなので、達成感も得られ、トライしやすい楽器です。 音を出すこと自体は簡単なのですが、良い音を追求するととても奥の深い楽器であるとともに、「琴線に触れる」という言葉があるように、気持ちにすっと入ってくる大変素晴らしい楽器であると思います。 この素晴らしい楽器である箏を、より多くの人に知っていただくきっかけが作れればと思っています。 箏の生の音を沢山の方に聴いていただき、魅力を体感していただきたいですね。
「さくらプラザ春の芸術祭2020」より |
―さくらプラザに求めるものはなんでしょうか?
是非とも箏の魅力を気軽に体験していただけるようなイベントを企画していただけたらと思います。もし、そういった機会があれば積極的に協力させていただきます。
(取材・文:勝間田 努)
取材日:2020年10月