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地域のイマ、とコレカラ…『第四回 老人福祉センター横浜市戸塚柏桜荘 山形 武さん』

新型コロナウィルスによって戸塚の人々のイマがどのように変わったか、コレカラどうなっていくかインタビューを通じて見つめます。第5回目は老人福祉センター横浜市戸塚柏桜荘(以下、柏桜荘)(https://apollon.or.jp/hakuousou)の所長 山形 武(やまがた たけし)さんにインタビューを行いました。山形さんが柏桜荘で働くまでの道のりから、高齢者の憩いの場である柏桜荘の今についてお聞きしてきました。

―山形さんが所長になられたのはいつからですか?

2020年の1月1日からですね。その以前にも週2日ぐらいで事務の手伝いとして務めていました。もともと、現役のときは商社の人間で、福祉の仕事とは全く関係のない世界で仕事をしていたんですよ。そこを定年退職した後は、商社時代の海外経験を活かしてミャンマーの日本語学校で日本語を教える仕事をしておりました。そこで、たまたま朋光会(柏桜荘の管理をしている法人)の当時の専務理事から、将来日本の介護の世界にミャンマーの人々を採用できないかという相談を受けており、それが縁となりました。日本に帰ってきた時に、仕事を手伝って欲しいということで柏桜荘の事務補助に入りました。前の所長の経験も長くなってきたところだったので、新しく所長として勤めることになりました。

 

●横浜市戸塚柏桜荘 施設には老人福祉センターとデイサービスが併設されている。

 

 

●施設内は飛沫感染対策が取られていました。

―柏桜荘はどのような施設ですか?

老人福祉センターというと馴染みが薄いかもしれないのですが、地域の高齢者の皆さんの活動拠点として設置されている施設です。余暇活動の一環として、カラオケや社交ダンスなど、利用者様には多彩な活動にご利用いただけます。また、施設の利用者様と近所の下郷小学校の生徒の皆さんがダンスやゲームをしたり、手作りの手毬やハンコ、お手紙など、昔ながらの作品作りを一緒に行ったりなど、地域の方々との接点を増やしています。 もう1つ、ここの大きな活動として「あしなが音楽会」があります。毎月、100名前後の方にご来場いただいており、利用者様の他、地域の皆さんも非常に楽しみにしていただいております。残念ながら、コロナの影響で現在は動画配信のみでの開催となっておりますが、柏桜荘にいればプロの演奏も聴けるということを是非味わってもらいたいですね。

―「あしなが音楽会」ではさくらプラザも何度もコラボさせていただいています。

さくらプラザさんは地元の音楽関係のある意味メッカ…と言うと、ちょっとオーバーかもしれないですが、今後も協力関係を結ぶことで、普段の「あしなが音楽会」とはまた違った雰囲気の音楽を提供できると思っています。「あしなが音楽会」で演奏されるジャンルはポップな演奏が多いのですが、やはり本格的なクラシックを求められている方もいらっしゃいます。9月末の「あしなが音楽会」の配信でもさくらプラザさんと協力してクラシック音楽をお届けしますが、そういった形で地域の皆さんの需要に応えていきたいですね。

 

●さくらプラザも年1回コラボしている「あしなが音楽会」。毎回たくさんの皆さんにご来場いただいております。写真は2019年に開催した「トロンボーンカルテット虎徹(コテツ)」の皆さん。

―コロナの影響でどのような変化がありましたか?

横浜市の公共施設の中で、一番最初に閉鎖を決めたのは老人福祉センターだったんです。やはり高齢者が対象の施設だということで、横浜市も非常に敏感でした。その後は6月の初め頃から順に利用再開をしましたが、例えば社交ダンスであれば1メートルくらいの間隔をとる必要があるなど、利用に制限がかかっておりました。今後も、横浜市からのガイドラインに従いながらの活動になりますが、ご高齢の方が家にずっといるという環境は健康にも良くないので心配ですね。

また、施設のスタッフの感染防止の観点からも、利用時間を10分短くして、空いた時間で落ち着いて消毒作業をしてもらったり、閉館時間を早めるなどの措置をとったりしております。ぜひ最新情報は柏桜荘のホームページをご覧いただきたいです。今は「あしなが音楽会」も配信で公開しております!今後も、試行錯誤しながらになりますが、利用者様の皆さんが健康な生活を営めるようなサポートをしていきたいです。

 

●7月に配信された「サニーパニー」の皆さんの収録にお邪魔しました。動画はこちらから↓

https://apollon.or.jp/hakuousou/ashinaga.html

―コロナ後はどのような活動をされたいですか?

コロナが理由というわけではないのですが、今ちょっと残念なのは、老人福祉センターとしては60歳以上の方をターゲットとしているのですが、利用の中心は80歳に近い70代後半の世代なんです。これだけの施設があって、いろんな活動が盛んにされているので、もう少し若い世代の方もどんどん来ていただけるような施設になりたいですね。そのためには活動内容もある程度時代にあったものを取り入れる必要があると思っています。

―施設も次の時代に対応していかなければいけないですね。

そうですね。コロナによって新しい生活様式が広まり、海外では挨拶の仕方まで変わっていますが、世界も変わりつつあるのかなと思います。コロナ後の新しい時代の中でご利用者様との接点の持ち方を、これもまた試行錯誤しながら、考えていくことが大事だと思いますね。

 

(取材・文:小野 良)

取材日:2020年8月

戸塚区民文化センター さくらプラザ