地域のイマ、とコレカラ…『第二十四回 株式会社 有隣堂 鎌田 由比さん』
新型コロナウイルスによって戸塚の人々のイマがどのように変わったか、コレカラどうなっていくかインタビューを通じて見つめます。第24回目は株式会社 有隣堂 ライフサポート部 教室推進課 鎌田 由比さんにメールインタビューを行いました。創業明治42年、横浜市中区伊勢佐木町に本社を置く株式会社 有隣堂。その中でも大人の音楽教室として営業する戸塚ミュージックサロンのコロナ禍における苦労と取り組みについてお話しいただきました。
鎌田 由比さん
―有隣堂 戸塚ミュージックサロン様のこれまでの歴史と主な企業活動を教えてください。
鎌田 由比様(以下、略):戸塚ミュージックサロンは大人向け音楽教室として2008年4月1日にオープン。
開設当初より「ヤマハ大人の音楽レッスン」を中心としたピアノやギター、バイオリン、ドラム、サックス、ボーカル、健康と音楽など幅広い年齢層に合わせたコースを用意し、戸塚で暮らす方はもちろん戸塚に勤務する方々、戸塚駅を利用する方々へ向けて、音楽を楽しみ、自らを高める活動のお手伝いをさせていただいております。
戸塚ミュージックサロンでは、レッスンだけでなく発表会ができる100名規模のホールを兼ね備えておりますので、日頃のレッスンの成果を発揮する発表会も実施しております。これにより、戸塚はもちろん、戸塚以外で弊社が運営している横浜や藤沢、川崎教室の生徒さまも戸塚ミュージックサロンのステージを踏んでおります。
また、2008年5月には戸塚カルチャーセンターもオープンし、絵画や造形等の美術、体操やヨガ・ダンス等の運動、書道やペン字、手工芸全般だけにとどまらず、囲碁・将棋・麻雀、その他多種多様な趣味の講座を多数用意し、生活に彩りを与える文化活動の場を提供しております。さらに2016年1月に同フロア内に戸塚ミュージックショップがオープン、楽器や楽譜の販売を通して地域の皆様の活動を支える拠点となりました。
戸塚駅周辺の弊社の運営店舗は、音楽教室「戸塚ミュージックサロン」、文化教室「戸塚カルチャーセンター」、楽器・楽譜全般を取り扱う店舗「戸塚ミュージックショップ」、戸塚モディと東急プラザと戸塚駅地下売店の3か所に書店「有隣堂」がございます。
この6つの店舗を構えることで弊社の経営方針の一つである「有隣」の精神にもとづき、「文化、教育に関する商品の販売を通じて地域社会に貢献する。」を体現する文化の発信地を目指し日々取り組んでおります。
●有隣堂 戸塚ミュージックサロン 受付
有隣堂 戸塚ミュージックサロン
〒244-0003 横浜市戸塚区戸塚町8番地 ラピス戸塚2-3F
―長期にわたるコロナ禍において、有隣堂 戸塚ミュージックサロン様は、これまでどのように過ごされてこられましたか?
コロナ感染が拡大し始めた当初は、レッスンを休講せざるを得ない状況となりました。その後は、感染対策を取りながら、徐々にレッスンを再開し、現在は殆どのレッスンが再開しております。しかし、大人数で行うコース、特に歌唱コースについては、募集の制限をしている状況です。
募集活動では、対面での告知活動が難しい中、HPの更新に加え、SNSでの情報発信や、会場内の掲示物による告知を強化しております。Twitterの閲覧数も徐々に増えて継続して発信しております。
―コロナ禍において、生徒様へのレッスン方法に変更はありましたか?苦労された面や、通常とは異なるエピソードなどありましたらお聞かせください。
対面レッスンに不安を感じる方もいらっしゃるので、オンラインレッスンができる環境を作り、生徒様にはレッスンを継続していただくことができました。ただ、不慣れな環境のため、急にインターネットに繋がらなくなったり、時間帯によって通信速度が落ちるといったようなトラブルも経験いたしました。また、インターネット越しだとお互いの音が遅れて聞こえてしまう点もあり、オンラインレッスンの難しさを痛感いたしました。
対面でしか対応できないコースについては、クラスの人数調整やパーテーションの設置等、対策を取り、少しでも安心してレッスンを受講していただけるように努めております。また、感染症対策をスタッフ全員が説明と実施ができることで、コロナ感染が不安で長期間の休会をされていた方も、安心してレッスンを再開していただけた事例も多くありました。
―コロナ禍において、生徒様の応募状況の変化や、新たなニーズなどをお聞かせください。
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置といった事に大きな影響を受けております。発令中は問い合わせが減り、解除されると問い合わせが増えるといった状況となっております。個人レッスンを希望される方、マスクを着用でのレッスンが可能なコースの問い合わせや体験が一時期増加いたしました。現在は徐々に歌唱、管楽器コースも少しずつ問い合わせがあるような状況です。
●戸塚ミュージックサロン 受付前
ーコロナ禍において、ポジティブな効果やエピソードがありましたらお聞かせください。
受付時に必ず検温、消毒をしていただいています。私たちはその時間をコミュニケーションタイムと捉え、一旦業務の手を止めて対応するので今まで以上に生徒さまとの会話が増えたように感じております。また、新人スタッフも生徒様のお名前を覚えるのが速くなっているようにも感じております。
ー新型コロナウィルスの終息後に新しく始めたい活動はありますか?
今までのように外部へ向けた募集活動や音出し企画(遊歩フェス(※1)への参加)などを再開したいと考えております。在籍生徒様参加の発表会も徐々に再開しておりますが、まだ再開に時間のかかるものもあります。この状況下だからこそ、音楽の力・良さを伝えていき、少しでも皆様の生活が明るくなるようなお手伝いができたらと考えております。
遊歩フェス(※1)・・・戸塚駅東口ラピス商店会主催の戸塚駅東口ぺデストリアンデッキにて行われる音楽イベント。
ーさくらプラザに、文化芸術に求めることはなんでしょうか?
「施設」という点においては、弊社主催の発表会をさくらプラザで実施させていただいたことが何度かございますが、駅近という立地に加え、素晴らしい音響や設備等、講師はもちろんお客様からも大変好評です。また、ホールだけでなく練習室についても地元の皆様には大人気と伺っております。ただその分ホールも練習室も抽選倍率も厳しいのですが……。
また、「企画」という点においては、さくらプラザ様では音楽をはじめ様々な演目・イベントが行われており、興味深いものも多いのですが、特に素晴らしい企画だなと感じているのが「スタインウェイを弾いてみませんか?」です。広いホールでフルコンサートピアノを演奏できるというこの企画は、ピアノを演奏する全ての人の憧れを叶えたり、大一番の前のリハーサルになったり、多くの人のニーズに応えた素晴らしい企画ではないでしょうか?今後もぜひ続けていってほしいです。
さくらプラザ様とはとつかストリートライブ(※2)運営委員会でもご一緒させていただいております。これからも戸塚に根付く者同士、地域の音楽活動や音楽イベントを応援する企業・団体の一つとしてと、また「音楽の街とつか」を盛り上げる手助けを共に行っていきましょう!
とつかストリートライブ(※2)・・・「とつか音楽の街づくり事業」の一環として戸塚区地域振興課や商店会、企業等が協力し、戸塚各所で定期的にストリートライブを実施するイベント。
※掲載内容は2022年3月インタビュー時のものです。
(取材・構成:勝間田 努 写真は有隣堂様よりご提供いただきました)