地域のイマ、とコレカラ…『第十一回 ダンススタジオ UNISTA(ユニスタ) 代表 前澤高行さん』
新型コロナウィルスによって戸塚の人々のイマがどのように変わったか、コレカラどうなっていくかインタビューを通じて見つめます。第11回目は戸塚駅地下改札から徒歩1分、トツカーナモール地下1階のダンススタジオ UNISTA(ユニスタ) 代表の前澤高行さん(通称 ハマーさん)にお話を伺いました。例年、さくらプラザホール等で音楽フェス「戸塚区民の夢のプロジェクト UNITY(ユニティ)」を開催、いつも元気な笑顔を届けてくださっています。
―UNISTAの設立・活動について教えてください。
2016年7月にオープンしました。基本的にはダンススクールを運営していますが、僕がもともとアーティスト活動をしていたこともあって、地域の子供たちと一緒に盛り上げられる事務所「ハーモナイズカンパニー」を2018年に立ち上げ、戸塚区在住のメンバーを中心に、ダンスボーカルユニットの「the Firstar(ザ・ファスター)」や「lil’superiors(リルスペリオズ)」などをプロデュースし、地元戸塚を中心に活動をしています。
また、映像にも力を入れており、戸塚区制80周年記念動画や戸塚区商店街PR動画のプロデュースをさせていただきました。
―ハマーさんが戸塚に来られたいきさつは?
妻がずっと戸塚に住んでいて。僕がやっているのは音楽なので、常に都内にいないといけないわけでもないので結婚した時に戸塚に来ました。電車の便がいいし街並みもいいし暮らしやすいし、すごく戸塚が好きになりました。戸塚に住むって決めたら何か戸塚で事業をやりたいって思っていて、良いタイミングでここ(UNISTA)の話が出てきて、やるしかないねってなりました。
―新型コロナウィルスの影響で活動に変化したことは?
1回目の緊急事態宣言が出て、2カ月間ずっと活動できない期間があって、収入の面でも結構きつかったですね。売り上げが0.5%になって……0.5%ですよ(笑)!オンラインでできるようにZoomを取り入れましたが、参加する生徒はごく少数でした。やはりお金を頂いてオンラインでダンススクールはなかなか難しいですね。でも、そういうつらい期間があったからこそ、守りに入るか、攻めにいくかどちらかしかなくて、僕は攻めにいって結果的に良かったと思いました。最初は守りに入った方がいいのでは……と悩んだりもしましたが、今攻めていかないと後悔するのではないか、と思ったのです。それで少しでも安全にダンススクールを運営できるように、ここより広いスタジオ(サンスタ戸塚町118-12ハマヤビル2F)をオープンしました。それによって僕のやりたかったことの一つである「ライブスタジオを持つ」という夢を実現させました。ステージは小さいですが、子供たちが活躍できるステージを定期的にやっていけば自分のやりたいことが一つ叶うかなと思って。もうこれはスタジオを大きくするしかない!下を向いていられないですからね。
サンスタ(戸塚町118-12ハマヤビル2F)
―今後のビジョンや夢を教えてください。
―さくらプラザと一緒にやりたいことはありますか?
―ハマーさんにとって大切なものは何ですか?
僕が音楽やUNITY(ユニティ)という音楽イベントで成功したのは、自分のスキルではなく「縁」なんです。全部が。
昔、駆け出しのアーティストがいたのですがあまり売れてなくて、いいアーティストだし売れたらいいな、と思って自腹を切ってチラシを配り応援していました。いろいろ応援している間に彼女たちと友情が深くなっていき、次のアルバムが売れなかったらこれでおしまいですっていう時に「ハマー兄さんとやりたい」って言ってくれて。一緒に曲を制作した結果、そのアーティストは大ブレイクしました。売れてくればいい作家を使えるのに、彼女たちは「ハマー兄さんの曲がいい」って言ってくれました。その後もユニティのレギュラーメンバーが15組くらい参加したアルバムを自主制作で出しましたが、その時も仲間たちが助けてくれました。売れている子たちも昔のことを覚えていてくれてバックアップしてくれました。すごく縁が助けてくれている、というか。いつもギリギリのところで人に助けられています。ピンチがあればあるほど、一緒にやればやるほど絆が深くなっていって、もちろん失敗することもあるしダメな時もあるけど、ダメだったら「ダメだったね」って言える仲間がいて、全てが縁でできている感じがしていますね。「ジジババファーム」は一人じゃできないからいろいろな縁があってできるのではないかなって思います。
実は僕がやりたいって思った夢は今まで全部叶ってきています。だからたぶん叶うって信じていて、最後の夢も。そこに向けて一歩ずつやっています。スキルじゃなくて、やはり縁ですね。縁がないとここまでやってないと思います。縁と情熱で!
(取材・文:石井由里子)
取材日:2021年12月