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地域のイマ、とコレカラ…『第十八回 バイオリニスト 遠藤 香奈子さん・ピアニスト 遠藤 和歌子さん』

新型コロナウィルスによって戸塚の人々のイマがどのように変わったか、コレカラどうなっていくかインタビューを通じて見つめます。

第18回目は、2022年1月21日(金)に「区民企画事業」としてさくらプラザ・ホールで「とつかニューイヤーコンサート2022」を開催予定のバイオリニスト 遠藤 香奈子さん・ピアニスト 遠藤 和歌子さんです。

姉妹を代表して姉の香奈子さんにメールインタビューを行い、コロナ禍における音楽活動やコンサートの魅力を伺いました。

 

●(左より)遠藤 香奈子さん・遠藤 和歌子さん

―おふたりは戸塚のご出身ですね。生い立ちや現在の音楽活動について教えてください。

 

遠藤 香奈子(以下、略):

私達姉妹は、戸塚生まれ、戸塚育ちです! 今も両親の住む戸塚の実家で、個人レッスンを行っています。

 

姉の香奈子は、2歳半よりバイオリンを習い始め、桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を卒業し、1999年より東京都交響楽団(通称・都響)に就職、現在は第2バイオリンパートの首席奏者を務めています。都響の公演は、多い時は月に10公演ほどあるため都響での活動がメインとなりますが、その他に、「The 4 Players Tokyo」(弦楽四重奏団。BSテレ東『エンター・ザ・ミュージック』に定期的に出演中。)のメンバーとしての活動、そして他団体へのゲスト首席出演や小規模アンサンブル公演への出演など、様々な形態の公演活動をしています。

 

妹の和歌子は、4歳からピアノを習い始めました。ピアノは、単独で演奏して成り立つ曲だけでも星の数ほどあるため、幼少期から常にソロの曲を練習してきました。姉と同じく桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部という道を進みました。高校時代は、ソリストになるべく練習を重ねてきましたが、大学へ進んだ頃から、他楽器との共演の楽しみに目覚め、弦楽器や管楽器、歌に寄り添うための「伴奏法」を勉強し始めました。現在は、ソロ演奏、弦楽器の伴奏、合唱団の伴奏、バレエの伴奏(踊りに合わせながら弾く)の他、子ども達への演奏指導も行っています。

 

実は妹は、私の姿を見てバイオリンを習いたがりましたが、両親にとってバイオリンレッスンが想像以上に大変だったため妹にはピアノを勧めたところ、素直にピアノを好きになり習い始めたそうです。今となっては、違う楽器を選んだからこそ姉妹で共演できますし、良かったなととても感謝しています。両親の作戦勝ちかも知れません(笑)。

―さくらプラザ・ホールでは、2016年より「とつかニューイヤーコンサート」を開催いただいています。ホールの印象はいかがですか?

とつかニューイヤーコンサートの様子●「とつかニューイヤーコンサート」の様子

初めて音を出した時、その響きのバランスの良さにとても感激しました。よく響くのに、余計に響き過ぎないと言いますか……大きな音がホール全体に響き渡るのは勿論ですが、どんなに小さな音や繊細な表現で演奏しても、それがホールの隅々まで行き届いていている。そして、その行き届いた音が、ステージ上の自分達に返ってくる! これって、その時その場で生み出す音を紡いでいく私達にとっては、とても大切なのです。舞台と客席の境い目がなく、ホール全体を使い音のキャッチボールをしているようで、お客様と音楽を共有していると実感でき、毎回演奏するのがとても楽しいです。

―2020年からは「さくらプラザ区民企画事業」にご参加いただいていますね。 こちらの事業に参加することで、さくらプラザがお役に立てたことはありますか?

 

自主公演で一番苦労することは集客です。事業に選ばれたことで、情報誌やさくらプラザホームページ「区民企画特集」への掲載等広く宣伝していただき、新しいお客様も増えました。ホールが認めた事業であるということで、公演内容への信頼性が高まると感じます。

―新型コロナウィルスの影響で、どのように日常や活動が変化しましたか?

 

昨春は数ヶ月間、演奏活動が全てストップしました。公演の準備に追われる生活から一変し、音楽家という職業の存在意義はもとより、音楽そのものの意味や価値を考え直す日々でした。

私達は、有料コンサートの他にも、様々な施設への出張ボランティア公演の依頼にできる限りお応えし、精力的に伺っていましたが、昨今は感染症対策の問題で施設等への出張は困難な状況となり、それがとても残念です。でも、また必ず再開したいと思っています。

―コロナ禍の中、2021年1月にもコンサートを開催いただきましたね。 開催までに苦労されたことやお客様の反応など、エピソードをお聞かせください。

 

目まぐるしく状況が変化する中、半年前からホールスタッフの皆様に毎月のように相談し、様々なアイディアとアドバイスをいただきながら、慎重に対応し準備を進めました。

公演は平日の昼間に、休憩無しの約1時間のプログラムとし、ソーシャルディスタンスを保てるよう前後左右を空けた市松模様の配席で、客席数は半分にしました。

お客様には、検温やマスク着用等のご協力をお願いする形となりましたが、「平日の昼間だと、移動も混むことなく安心だった」「休憩時間のお手洗いの行列もなく、1時間をとても集中して楽しめた」「指定席だから、開場前に並ばなくて済み、密を避けられた」「余裕ある客席でゆったりとした気持ちで聴けた」など、理解あふれる温かいご感想を沢山いただきました。 

エピソードとして一つ! 例年終演後に、ホールの出入り口にてお客様をお見送りしており、それも今回は諦めていたのですが……カーテンコールで舞台へ呼び戻された時、そのまま居残り、私達が舞台上からお客様をお見送りすることにしました! その結果、「では、後方座席の皆様、ありがとうございました〜。また来年元気でお会いしましょう!」とお声がけしながら、分散退場も促すこともできるという、思わぬ形で新しい形のお見送りを開発できました!

―新型コロナウィルス終息後に始めたい活動はありますか?

 

終演後に、お客様との懇親会を開きたいです!

毎年開催しているからこそ、演奏会自体も大切ですが、私達との出会いだけでなくお客様同士も「また今年も元気で会えたね」とコミュニケーションできる場を作りたいと思っています。

―最後に、戸塚の皆様にメッセージをお願いいたします。

さくらプラザ・ホール舞台上にて●さくらプラザ・ホール舞台上にて
 

地元の私達による、地元の皆様のための「とつかニューイヤーコンサート」は、第◯回と銘打たず、いつからでもご参加できるコンサートイベントです。クラシックの名曲を私達のトークを添えてお届けする充実の1時間、戸塚が誇るこの素晴らしいホールで、生の音のシャワーを浴びにいらしてください!

※公演情報詳細は2021年11月下旬公開予定です。

※掲載内容は2021年9月のインタビュー時のものです。

(写真:遠藤さん提供/構成:桑田 春花)

戸塚区民文化センター さくらプラザ